The Beautiful Mind of SHIRANUI | #1 その服の一番静かな姿を追い求める
昔から静かな服に惹かれます。
さまざまな服遍歴を辿ってきたけれど、その中でも大切にしていたのは「silence」ではなく
「less is more」少ないことは豊かであるということ。
服とは"足す"文化であると私は思います。
着飾るということは隙がないから。例えば秋冬はニットにコート、マフラー、グローブ。柄や素材。足せば足すほど防寒だけでなく、隙間ない自信に満ち溢れていきます。
つまり適当に組み合わせても何だかそれっぽく成立しまうのが秋冬であり、だからこそ、その服の魅力を引き出すことを考えるのが楽しい季節でもあります。

アンティークのディティールから紐解かれたブラウスはあえてシルエットやギャザーを抑えて、その服の一番静かな姿を追い求めてみる。ベルベットの深い光沢が冬への期待を高めてくれる。ジャケット66,000円/スカート41,800円[ともにWIRROW] ブラウス68,200円[SPエシュペー]
控えめな美しさの中に潜むelegance
かといって、足すことばかりでは声が大きくなりすぎるというのが私の意見です。
少ないもので最大限の力を発揮する。同じくミース・ファン・デル・ローエの「god is in the details 神は細部に宿る」という言葉がありますが、素材感や形、色、全てが掛け合わさった時の余韻はなんとも言い難い力強さがあります。
素材やシルエット、一着一着から放たれる小さな声を聴きながら静かな瞬間を切り取る。私がいつも服を選ぶ時に心がけているのは、"足す"文化と抗うことです。

シャツは片袖だけ通して肩掛け、着こなし方も大切な要素。素材の質感を見つめ直しながら少しだけ力を抜いて、ラフでありながら引き締まるよう掛け合わせ。44,000円[WIRROW] トップス23,100円[suzukitakayuki] パンツ57,200円[humoresque] リング[mederu jewelry]
今に気持ちを集中すること
今回の着回しではsuzuki takayukiのタートルネック Tシャツを全てのコーディネートに使用しました。
この一着には何が合うのだろうか。どんな引き立てができるのだろうか。「less is more」ひとつひとつの要素を見つめていくと、コーディネートの案が絞り込まれていきます。
何か違和感がある。そんな時は小さな声を信じてみることも大切だと思います。

ニットを肩にかけ、ケープのように。必要ではないものほど、時には少しのエッセンスで輝く瞬間があります。変化球な着こなし方も"今"してみたいと思う心の声から。ワンピース59,400円/トップス23,100円[ともにsuzukitakayuki] ニット35,200[WIRROW] シューズ[TACHINOCHIE]
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*こちらの商品は2024.10/27(日)でオンラインストアへの掲載を終了いたします。商品について、ご不明点がございましたらお気兼ねなくお問い合わせください。